R35・GT-R スペックVが登場

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数日前、遂に日産からR35・GT-RのスペックVが発表。発売は2月2日からになるようですが、1,575万円と言う価格をはじめ、諸元や装備と言ったスペックVの詳細がようやく明らかになりました。

スペックVのエンジンスペックは基準車とほぼ同じ

スペックVのエンジンスペックは諸元表上、最高出力485PS/6400rpm、最大トルク60kg-m/3200-5200rpmとなっており、コレはGT-R基準車と全く同じ数値。スペックVで違うのは「ハイギヤードブースト」と言う、中間回転域でのトルクをアップさせる機能が追加されたコト。

ハイギヤードブースト

スペックVのハイギヤードブースト機能は、ターボチャージャーによる最大過給圧を一時的に高めるコトが出来るスクランブルブースト機能なようですが、その目的は最高出力を高めるコトではなく、中間回転域(3500~5000rpm)におけるトルクの増大を狙ったモノ。

動作はステアリングに設けられたスイッチを押すコトによってハイギヤードブースト機能がONとなり、その後80秒間作動した後、自動的に通常ブーストに復帰。またハイギヤードブースト作動中の最大トルクは62kg-m(通常は60kg-m)にアップ。

因みに「ハイギヤードブースト」と言うネーミングは、一つ上のギヤを選択するコトが出来るコトから来ているとか・・・

スペックVのSuper-TIXを用いたチタンマフラー

他にGT-R スペックVのエンジン系では排気系統の後半、マフラー部分にチタン素材が採用されており、GT-R基準車のマフラーより5キロ軽量になっています。スペックVの説明ページに高温強度や高温クリープ特性に優れている「Super-TIX」を使用とありますが、これは新日本製鉄が手がけている比較的新しいチタン素材シリーズ。

Super-TIX

Super-TIXシリーズは、排気系部品で問題となる耐熱性やら高温時の耐酸化特性の改善、エンジンのバルブ等への使用時に問題となる耐摩耗性、っと言った辺りに代表される、チタン系素材において量産品を作る際に問題となる加工性の改善や製造コスト削減、チタンが持つ量産品に不利となる特性の改善等に取り組み、低コストチタン合金として開発されているようです。

でGT-R スペックVのマフラーに使用されている「Super-TIX 10CU」については、新日鉄のHPとかザックリ探しても見つからなかったのだけど、ココ辺りをみると、新日鉄ではエキマニとかにも使える位の耐熱性を持った排気系向けチタン素材の開発をしていたようなので、そう言った技術が用いられた素材なのかな???

ちょっと古いけど、新日鉄のチタン材をクルマに適用する取組みを紹介している下記もナカナカ面白い内容になっています。

自動車部品へのチタン材適用【PDF】

金属材料におけるクリープとは?

それと、「高温クリープ特性」っと言う、あまり聞きなれないコトバが登場していますが、それについては下記ページ辺りを見ると何となくイメージが掴めるかと。

一日1題、技術士(金属)試験問題にチャレンジしよう!

まず『クリープ』とはなんでしょうか?材料に一定の力を加え続けた時に、時間と共に変形する現象です。通常、材料の変形は、外部から加える力が一定の場合は、加えている時間とは無関係に決まります。この『通常』というのは、常温のことです。しかし、試験の温度が上がるにつれてクリープ現象が明確に現われてきます。

◆中温では、時間・ひずみの関係曲線(これを『クリープ曲線』といいます)は、対数関数的になります。つまり、変形速度(ひずみ速度)は、時間とともに減少し続けます。

◆高温では、これがひずみ速度が一定の状態(これを『定常クリープ』といいます。)になります。これを『高温クリープ』と言います。ここで、高温のおおよその目安は材料の融点の絶対温度の半分位以上の温度です。

つまり高温時のクリープ現象と言うのは、常温では同じ力であればソレを加え続けても変形量は変わらないけど、高温になった際は力が加わる時間が長くなる(力を加え続ける)と、それに伴って変形がどんどん進行してしまうと言ったイメージ(っだと思います)。

さらにもうちょっと詳しく見ると、

◆定常状態に達する以前の期間を『遷移クリープ』(もしくは一次クリープ)と言います。この期間は材料が硬化し続け、クリープ速度は時間と共に減少し続けます。定常クリープに移ると、材料の加工硬化と加工組織の回復がバランスして進みます。この際、加工硬化は、温度依存性はあんまりありません。ところが、回復は、空孔もしくは原子の拡散に支配されます。拡散は温度依存性が強いので、結果として温度依存性があるようにみえます。

◆クリープの後期にはクリープ速度がどんどん大きくなり、最終的には破断します。これを、「加速クリープ段階を経てクリープ破断した」と表現します。

◆さて、高温で起こるクリープの変形のメカニズム(機構)には、大きく分けて3つあります。拡散クリープ、粒界クリープ、転位クリープです。拡散クリープとは、一言でいうと原子や空孔が拡散移動して、引っ張られる方向に体積を補充する動きです。粒界すべりは、結晶粒界で結晶が滑る現象です。転位クリープは、転位のすべりによって変形する現象です。転位すべりは粒内で起こります。

◆クリープ現象は、できるだけ起こって欲しくない現象です。したがって、色々なクリープ阻害対策が講じられます。これらをまとめて『高温材料の強化』と言います。強化機構には、大きくわけて4つあります。固溶強化、粒子の分散強化(これは析出強化と同じ意味ですね。)、大きな結晶粒径です。室温で変形し、転位密度を高くするのも、効果はあるのですが(これを加工硬化と言います。)、高温では定常クリープ段階で転位はどんどん移動してしまいます。つまり、加工硬化は高温クリープ対策には効果が少ないのです。

◆結晶粒径を大きくするのは、クリープ速度が低下し、破断伸びは下がるのですが、破断時間が長くなります。つまり、クリープ強度が上がったことになるのです。

カーボン製リヤディフューザーもスペックV専用品

そんな訳で、高温になるとチタンマフラーは上記以外にも色々よろしくないので、リアのアンダーディフューザーはマフラーを冷却するタメのNACAダクトが設けられたスペックV専用品となっています。

エクステリアには一部カーボンパーツを採用

GT-R スペックVのエクステリアには、この手のクルマとしてもはやお約束と言った感のあるカーボン製パーツが一部に採用されています。スペックV専用となるカーボンパーツは、上記リアアンダーディフューザー以外に、

・カーボン製・専用リアスポイラー
・カーボン製フロントグリル
・カーボン製ブレーキキャリパ冷却ダクト(フロントスポイラ一体)

っと言った辺りで、ブレーキ冷却ダクトが装着されるフロントスポイラーは、GT-R基準車と外観上の違いが良くわかる部分。またチタンマフラーの採用に伴いテールエンドが基準車の片側2本(計4本)出しからオーバル形状を基調としたモノに変更される他、レイズ製ホイルの採用、スペックV専用エンブレムの装着などが外観上の主な違いです。

レイズ製ホイルについては、GT-R基準車のホイルに対し、フロントが1本1.6キロ、リアは1.4キロ、1台分トータルで6キロの軽量化が図られています。

スペックV専用色・アルティメイトオパールブラックを設定

またGT-R スペックVには専用ボディカラーとなるアルティメイトオパールブラックが設定されている一方、基準車に用意されているアルティメイトシルバーとタイタニウムグレーは未設定と言った違いもあります(ブリリアントホワイトパール、パイプラントレッド、ダークメタルグレー、スーパーブラックはスペックV、基準車共通の設定)。

スペックV専用のブレーキと足回り

ブレーキや足回りなどの変更は、スペックVの注目となる部分の一つかと思います。

スペックVはカーボンセラミックブレーキローターを採用

GT-R スペックVのブレーキには、カーボンセラミック製のローターが採用され、一輪辺り5キロ軽量化されています。またこのブレーキシステムによって、ニュルテスト時の最大ブレーキングGは2.05Gを記録したのだとか。キャリパーについては触れられていないのと、見た感じ基準車と同じように見えるので、大きな違いはないのかな?

ショックアブソーバは減衰力固定式

スペックVの足回りは、バネレートのアップと、ソレに合わせたショックアブソーバーの減衰力アップ等の変更がされると同時に、減衰力は完全に固定式のモノを装着。上記の他、スタビライザーやアライメント、さらにエンジンマウントにも手が入っているスペックVの足回りはGT-R基準車のRモード以上にスポーツ走行寄りのセッティングとなっているとのコト。

組み合わされるタイヤも、GT-R基準車と異なり、ドライ路面のサーキット走行に焦点を当てた「POTENZA RE070R」を装備(但し、基準車に用意されるダンロップタイヤの選択も可能)。

インテリアはカーボン製リクライニングバケットシートを採用

スペックVのインテリアで目に付く変更は、シートにレカロのカーボン製リクライニングバケットが採用されたコト。このシートはGT-R基準車に装着されるシートと比べ、1脚辺り6キロ軽量になっています。

他、細かなトコロで、ステアリングスイッチ周辺のフィニッシャ、ドアグリップフィニッシャをはじめ、センターコンソールやクラスター、エアコングリルのフィニッシャがスペックV専用品。

スペックVには快適装備も標準装備

スペックVに関する水野氏の初期のコメントにあった、「エアコンやオーディオも無い」っと言う部分に関しては現実とはならず、フルオートエアコンやHDDナビゲーションシステムと言った快適装備も標準装備。但しオーディオは基準車の6スピーカーに対し、スペックVでは4スピーカーになるけど、メーカーオプションで基準車と同じ11スピーカーを備えるBOSEサウンドシステムが選択出来るので心配は無用。

その他装備についてもスペックVは、当初コメントされていたような「公道走行に向かないモデル」っと言ったコトは(乗り心地以外)心配する必要が無さそうな内容になっています。

保証期間短縮

GT-R基準車では3年6万kmの一般保証以外に、5年10万kmの特別保証が設定されていますが、スペックVではコノ保証期間が3年6万kmのみになる他、錆保証期間もGT-R基準車の表面錆3年、穴あき錆5年から、スペックVでは一律3年までと実質的に短縮されています。

この、ボディの穴あき錆保障が短くなっているのは、スペックVが(開発者的には)サーキット走行に重きを置いたモデルっぽいので、それに係る何らかの理由があるのかな? サーキットで錆に結びつきそうなモノと言うと石灰位しか(オイラは)思いつかないんだけど、オイル処理等のタメに石灰が撒かれた上を走るコトによって錆易いと言ったコトがあるのかな(石灰は乾燥材に使われるくらい吸湿性が高いみたいだから、放置するとヤバいとか)?

その他、GT-RスペックVに関するコレまでの噂と実際

上記にも一部挙げたGT-R スペックVに関する水野氏のコメント(参照)などの影響もあり、R35 GT-R 基準車の登場以降、スペックVに関する様々な噂が流れました。当初、防音装備や快適装備すら備わらない仕様を考えていると言った内容であったため、

・GT-R基準車よりかなり軽量になる(装備の簡略化やカーボンパーツの採用)
・2WDになる(但し否定する向きもあった)
・エンジンのパワーアップ(最高出力)
・月産20~30台の少量生産
・カーボンブレーキの採用
・2シーター化
・サーキット向けの足回り設定
・ニュルでちょ~速い

等々。このウチ、エンジンやブレーキ、足回りについては上記の通りで、残る生産台数、車体重量、駆動方式、乗車定員、ニュルのタイムがどうなったのかと言うと、

スペックVは月産30台程度

コレは下記GT-R スペックVのサイトTOPの動画で水野氏が語っていますが、月産30台以上作れないそうです。輸出はどうするのだろう?

スペックVは2名乗車

スペックVの乗車店員については噂通り、リアシートが廃されて2シーターされました。この2シーター化は軽量化にも繋がっているコトかと思います。

駆動方式

スペックVの駆動方式については4WDのままです。駆動システムはGT-Rの要の一つですから、コレはコレは必然とも思いますが・・・

車体重量

車体重量について、コレは微妙な値で、GT-R基準車の1,740Kgに対しスペックVは1,680Kgと、60Kg軽いに留まりました。60Kgと言う数値を軽くなったと見るかどうかは、コレ、車体価格と併せて考えると実に微妙ではないでしょうか・・・

っと言うのも、置き換えられたパーツがソレゾレ、

・カーボンブレーキの採用 :-20キロ(1輪5キロの軽量)
・カーボンバケットの採用 :-12キロ(1脚6キロ軽量)
・チタンマフラーの採用 :-5キロ
・レイズ製ホイルの採用 :-6キロ(フロント1輪1.6キロ、リア1輪1.4キロ軽量)

で、上記合計だけで43キロの軽量化。コレにリアシートの撤去分と、カーボン化されたリアスポの分を加えれば、概ね基準車より軽くなった分の60キロ辺りになる訳で・・・

ニュルタイム

さてさて、気になるニュルブルクリンクにおけるスペックVのラップタイムですが、コレが残念なコトに公表しないのだそうです、残念。

スペックVに採用された一部装備はニスモパーツに設定有り

今回発表されたGT-R スペックVに採用されている装備のウチ、レイズ製のアルミホイルとBSのPOTENZA RE070R、レカロのカーボン製リクライニングバケットシート、チタンマフラーについては、GT-R基準車向けにニスモが設定している「ニスモ クラブスポーツパッケージ」に含まれるモノと同じです。

因みに上記パーツの価格は単品だとソレゾレ、

・チタンマフラー:189万円
(専用ディフューザーセット)

・カーボンバケットシート:189万円
(但しスペックVはシートバックにGT-Rロゴが入るのに対し、コチラはNISMOロゴ)

・ホイルとタイヤ(シャシーパッケージに含まれる):220.5万円
(パッケージの一部となるので、他にクラブスポーツパッケージ専用の
減衰力切り替え付きショックアブソーバ、スプリングも含まれる)

合計すると598.5万円だけど、 上記(と、NISMOエンブレム)がセットになったクラブスポーツパッケージの場合は、546万円とチョットお得な価格設定。

NISSAN GT-R(R35)用 「NISMOクラブスポーツパッケージ」
・http://www.nismo.co.jp/news_list/2008/news_flash/080005.html


GT-R スペックVのサイトは下記になります。

・http://www.nissan.co.jp/GT-R/SPECV/

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