ジャガーXJ6C

先日、出先のとあるお店でジャガーのXJ6Cというクルマに出会い、そしてワタシはおおいに驚いた。
カバーをかけられた「短い」ジャガーの正体
その店に着いた際、カバーのかかったクルマが目に留まる。一緒に居たカタが「何だと思う」っと言うようなコトを言ったので暫く考え込む。カバーの切れ目から控えめに飛び出したドアミラーの形状やボディサイズ、その中でも全幅がかなり広く全高の低さなどからちょっと古めの外車かなと思った。
店での用も終わろうかという頃、店主が正体はジャガーだと教えてくれた。それも稀少なのだと言う。しかしながらその時のワタシは、その正体がますますわからなくなってしまった。外で見たサイズ的な印象から、ジャガーと聞いて真っ先にXJ-Sが思い浮かんだが、ソレでは無いはずだと思った。なぜならカバーがかかっていた時のシルエットから、丸みを帯びたフロントフェンダの峰や、そこから続く丸型のヘッドライトが確認できていたからだ。
かと言って有名どころのEタイプやMk2と言った年代のシルエットとも違い、明らかにもっと近代的なシルエットが見てとれる。そうなると、XJ-S以外に思いつかないけど・・・・・。っと言った感じで、余計にわからなくなったと言う訳。
そうこうしつつ、店主さんの厚意によりボディーカバーの下からジャガーがその姿を現すと、2つのコトに驚いた。まず、一番初めに露わになったフロントマスクをみて初代XJだと言うコトがわかったが、しかしそれはどう考えてもおかしいのである。どう考えても初代XJはコンナに短いハズがない。それともワタシの目測がおかしいのであろうか? 続いてリアセクションの姿が見え始めた瞬間に、二番目の驚きである。
そう、初代XJはXJでも、コレはXJCという2ドアモデルだったのだ。そして初代XJに2ドアモデルが存在していたコトなど全く知らなかったし、改めて考えても雑誌などで目にした記憶もない気がする・・・・・
XJC
初代XJは1968年から86年にかけて生産された4ドアサルーンで、年代別にシリーズ1~3に分類される。この中のシリーズ2に2ドアモデルのXJ6C・XJ12C(6気筒と12気筒)が設定されていた。しかしXJ・シリーズ2は73年~79年にかけて生産されていたにも関わらず、2ドアモデルのXJCが生産されたのは75年~77年という、極限られた期間だけである。
調べてみるとXJCが設定された75年と言うのは、XJ-S(2ドアGTと言うかスポーツと言うか、そんなモデル)がデビューした年でもある。なので同じ2ドアのXJCとXJ-Sが近い存在なのかと思いきや、そうでもないようなのだ。
3つのXJは兄弟であり、しかし別物のクルマとも言える?
XJC
- 全長:4843mm
- 全幅:1770mm
- 全高:1375mm
- ホイールベース:2763mm
- トレッド(前/後):1473mm/1488mm
XJ-S
- 全長:4890mm
- 全幅:1795mm
- 全高:1260mm
- ホイールベース:2585mm
- トレッド(前/後):1480mm/1485mm
XJサルーン(Sr-3)
- 全長:4960mm
- 全幅:1770mm
- 全高:1375mm
- ホイールベース:2865mm
- トレッド(前/後):1475mm/1480mm
XJ-Sに関してはシャシの基本的な部分はXJサルーンからの流用なので、全幅やトレッド等は概ね同じ(トレッドの違いはタイヤサイズによるものではないかと推測)。XJCのデータは小さな写真から得たので読み取りに不安があるのだけど、ホイルベースの値を見ると構造的にXJサルーンともXJ-Sとも異なり、両車の中間辺りとなっている。今日的にはXJCとXJサルーンは兄弟車といえるかもしれないけれど、コレはシャシフロアの「調整しろ」の部分が存在するにしても、40年、見方によっては50年近く前に設計が始まったであろうコトを考えると、「別のクルマ」っと言う見方をするコトも出来るように思う。
XJサルーンの素晴らしいデザインはXJCにも備わっているのか?
そんなクルマがたった数年足らずで姿を消してしまったのは、より新しいXJ-Sの存在があったからであろうか? 真実は不明ながら、デザイン的にXJサルーンに劣るという声もあったようなので、あまり評価を得られなかったのかもしれない。
デティールのXJC
改めて写真にてXJサルーンとXJCを見比べてみると、クォーターウィンド辺りからトランクへの流れやウィンドそのモノのデザインと車体全体の雰囲気なんかは、むしろXJサルーンよりもまとまっているように感じるし、何よりXJ-Sよりも流麗で魅力的に映る(ただしコレは当時だとXJ-Sの方が新しさ等の面でも魅力があったのかもしれないけど)。
デザインに定石など無いと言うコトか
XJサルーンの魅力の1つに、フロントからリアに流れる伸びやかさを感じるデザインが挙げられると思う。実際に写真で見比べてみてもXJCはサルーンに対してその伸びやかな印象が薄らぐ印象を受ける。ここでリアオーバーハングの長さに違いがあるのかと思ったが、どうやらそう違ってもいないようだ。リアのオーバーハングが同じ場合、ホイルベース間の距離が短くなれば相対的にリアオーバーハングは長くなる訳だから、流れの最後を締めくくるコノ部分が(相対的にでも)長くなるのであれば伸びやかさは増すように思っていたが、コレがどうやら(ジャガーのXJの場合は)その逆のようなのである。
写真を見てもらえばわかるが、XJのリアエンドはなだらかに落ち込み、幅も狭まるデザインで、かなりキツク絞り込まれている。こう言ったデザインだと例えば車体右前方の同じ位置に立ち、斜めから車体を見るとオーバーハングは実際以上に短く感じられるように思う。XJサルーンとXJCを見比べた場合は、ホイールベースの短くなったXJCは当然リアオーバーハングの見える範囲が多くなる。「ところがっ」なのだ・・・
対して、その1台のクルマとして完成されたXJサルーン
それは同じクルマ、XJサルーンならサルーンのみを真横と斜め前方から見た時になんとなくわかる。斜め前から見た時に比べ、真横から見た際のリアオーバーハングの「実際の長さ」が短く感じないだろうか? つまり絞り込まれたデザインが斜め前方から見た際の遠近感を実際よりも強くし、またサルーンのホイルベース間のある意味「長すぎる中間部分」の大きな流れを間延びした印象を持たせるコトなく処理しているように感じる。コレがショートホイルベースのXJCと組み合わさると、リアオーバーハングの「見える部分」が拡大し、また遠近感を強める印象から全体にアンバランスに見える角度があるように思う。
またXJCをよりフロント寄りな別の角度から見た際には長く、そして広いボンネットフードが一層デカク、逆にそれ以降が短すぎに見えてしまうコトもある。同様の視点な時にXJサルーンのリアオーバーハングはかなり短く見えてしまう訳だけども、ソレをホイルベースの長さがカバーして全体のバランスを保っていると同時に、なだらかに連なるラインが「その後の見えない部分」を補間しているのではないかと言う印象を持つ。そしてその見えない部分が見えてしまうと、実際には長すぎる車に見えてしまうのではなかろうか、っと。
かような理由からXJサルーンのデザインとは見れば見るほどに面白く、また同時にデザイン的に只者ではないなといった感じであり、それに手を加えたXJCというモデルに対し、魅力はあれど、しかしどことなく釈然としない印象を持ち合わさせてしまっているのかなと・・・
今回見たXJ6C
っと、ハナシがいつの間にか逸れてしまいましたが、とは言えXJCも大いに魅力的で、またこの固体に関して言えば、明るい色のいかにもな内装ではなくてダークカラーで統一された内装も個人的にポイント高し。アストンDB5なんかも持ち合わせている豪華なんだけど緊張感のある雰囲気が、このクルマにジャガーのそれ以降のモデルには無いハードな一面を覗かせていて、そこにスポーツと言うもの存在を思い起こさせるのが良い感じだし、このボディーカラーもその内装色との組み合わせだと良い感じだ。
ハナシによると昨年まで動かしていたようで、それまで故障なんかも少なかったとか。今現在「for SALE」とのコトらしく、正直欲しいです、えぇ(でも買えませんが。えぇ、えぇ)。しかし、この年代のジャガーほど欲しいと思ってもすぐに諦めの付くクルマもナカナカありませんね。何故かって? そりゃコノ年代のジャガーをサラッと乗りこなせちゃうような似合う人があんまり居ないからっすよ(^^;
何時もながらにまとまらずにおわりんぐ・・・








SECRET: 1
はじめまして
私もXJCに乗っています。魅力ある車ですよ・・
現在も問題なく動いているし(多少の修理は必要だか)、ジャガーの中でスタイルなど素晴らしい車です。
横須賀に住んでいますが、一度見に来て下さい
■Tさん
はじめまして。
コメント書き込み頂きありがとうございます。
XJCに対する批判的な記述が多々ありますので、
不快な印象を与えてしまっておりましたら、
まずその点お詫び申し上げます。
XJCというクルマの存在を今まで知りませんでしたから、
このクルマを初めて見た際には非常に驚きました。
あまり目にする機会のないクルマですから、機会がありましたら
拝見させて頂きたく思います。
このジャガー、私が購入しました。昨年の9月に買い、修理、修理で本年4月にデビュウー!!と思いきや、ウォーターポンプ壊れパーツがなななか届かず現在修理中。でもピカピカで格好良いですよ。とりあえずまだ300キロしか走ってないので、夏が終わったころにエアコン修理して完璧にいごごち良い車に仕上げます。
■ ヨッシーさん
はじめまして。
もしかして写真の個体そのモノというコトでしょうか? 修理箇所が色々あったようですが、そうして手を掛けてくれるオーナーさんのもとに嫁ぎ、XJCも幸せなコトかと思います。
実車を拝見した際、XJCと言うクルマを初めて見た驚きと共に、その内外装の綺麗さにワタシも心惹かれてしまいましたので、手に入れられた事、少々羨ましいトコロです(^^;
整備の方もある程度先が見えてきたようですので、夏が終わり良い季節になるコロにはXJCとの楽しい時間を過ごせそうと勝手に想像し、人様のコトながらも何かワタシも嬉しさのようなモノを感じさせて頂けましたので、書き込み頂きましたコト嬉しく思います。